高熱にベッド<短&番外>


駄目だ。
頭、クラクラする………


私の限界なんてお構い無しに、キスは続く。


何度も角度を変えて、

「え…きさっ…」


その度に漏れるのは、甘い吐息。


「も、無理…!」


苦しい―――…!


私が半ば諦め、気絶しそう、なんて思っていた時。


「ん…は…っ?」


なんの前触れなしにキスは止み、しかし顔の距離はそのままで。


『キスの途中に喋るだなんて、色気が無いよ、那子』


にったり笑う永樹さん。


「っ………!」

『苦しかったら、鼻で息しなよ』

「そんなの出来ません…!」

『なんで?』

「だって、なんて言うか…」


苦しくて、わけ分かんなくなっちゃって。
ドキドキして…………


『俺のキスに夢中になっちゃうんだ…』

自信ありげ口角を持ち上げ、私の顎をクイッと持ち上げる。


「違……!」

『違うんだ…、そ。
じゃあ鼻で息、出来るよね?』

「それは…!」

『やってみないと分からない?じゃあ練習ね』


誰もそんな事言ってません!!!

と、反論する前にまた唇は塞がれて。


『出来るまで…練習だからね』


大魔王の囁きが耳に触れて、甘く脳内を侵食する。





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