高熱にベッド<短&番外>
キスは、止まない。
私は相変わらず、涙目で。
苦しい……っ!
『出来そう?』
時折唇を離して私に問う永樹さん。
「む…り…――んっ…」
息を荒げながら、必死に永樹さんに伝えるも、また直ぐに口を塞がれてしまう。
相変わらず甘い吐息と荒いキスから生まれる音が、耳に届く。
体全体の力が抜けて、頭は真っ白になって。
何も考えられない。
ただ与えられる甘い刺激に身を委ねる事しか出来なくて。
私は遂に、姿勢を保って入られなくて、永樹さんに寄り掛かってしまう。
「はぁ…」
息を乱す私は、頭を永樹さんの胸にピッタリとくっつけて姿勢を保っている。
『もう終わり?』
まだまだ余裕たっぷりの永樹さんの声が上から降ってくる。
それでも私は荒く息を吐くしか出来ない。
『練習、足りないみたいだね』
永樹さんはそう言って、私の顎を片手で掴み、顔を上げさせる。
その反動で、私の目から涙が流れた。
未だ息の荒い那子の口は無防備に空いていて、頬は上気して赤く、おまけに目はとろん、としている。
『……前言撤回。
今の顔、凄く色っぽい』
「もう嫌ぁ…」
顔が近づいて、永樹さんにまたキスされる事が分かって、私の目からまた涙が溢れる。