高熱にベッド<短&番外>
『たまたま見つけた那子が、見知らぬ奴に抱き締められてんだよ』
永樹さんの神出鬼没加減に驚いてる場合じゃ、無い。
『何抱き締められてんのさ』
余り感情を出さない永樹さんだけど、今は顔を見ただけで分かるくらい怒ってる。
『早く自分で腕解いて俺んとこ来なよ、それくらい出来るよね』
いつもなら無理矢理引き寄せそうなのに、自分からは動こうとしない永樹さん。
言われた通り伊勢君の腕を解いて永樹さんに近寄る。
皆は、唖然。
何となく私と永樹さんの関係は分かるだろうけど。
そして、永樹さんの前まで来た瞬間、
「んっ」
首の裏を掴まれて、キスをされた。
……皆の前で…!
「待……」
辱めの如く、皆の前で濃厚ちゅーをお見舞いされて。
唇が離れたと思ったら体をひょいと担がれて。
永樹さんは店の出口へ向かう。
その時には既に、食事をしていたメンバーどころか、店にいる全員の視線のまととなっていて。
私は真っ赤になった顔を、隠すのに必死だった。
残らされた人達はと言うと、
『なんじゃありゃ……』
『そら色気でるわなー…』
『年上かよー…』
『…………………はー…勝てるかよ……』
肩を落とす男子勢に。
『かっこいー!!』
『やばくないやばくない!?』
『那子超羨ましいー!!』
『…那子の馬鹿聞いてないぞー!』
真っ赤になって興奮する女子勢。
…永樹さん暫く噂の人となるのでした。