ヒトノモノ
部屋に入り、さっきの田中君の言葉がリピートする。
《結婚》
そっか・・・もう24歳なんだ。
そういえば、大学時代の友達が来年立て続けに結婚していく・・・
あたし・・・このままでいいの??
もし、啓介が奥さんと別れずいて、一方であたしともダラダラ続いていたら・・・
あたしは結婚なんて出来なくなる。
そしたら子供だって・・・家庭だって・・・
結婚が全てではないのはわかってるけど、一人の女として普通の幸せは手に入れたい。
なんだか、急にこれからの人生が不安になってきた・・・
不安なのに・・・今すぐに啓介に会いたい。
考えと気持ちがついていけてない・・・
・・・ブブブッ・・・ブブブッ・・・
バッグの中から携帯の中からバイブ音がする。
取り出して携帯を開く。
【啓介】
【今からそっちに行くから】
【急にどうしたの?待ってるね】
あたしはそう返信して、携帯を抱きしめた。
啓介はあたしを選んでくれてる・・・
今は・・・啓介がいればいい・・・
さっきまでの考えが一気に吹っ飛んでいった。