僕らの妹
「剣人。
柚夏、起こしてこい。」
「あいよ。」
剣人。
崎野家の次男で
耳鼻咽喉科の
医師。
この家には
俺と剣人、柚夏しか
住んでない。
両親は
柚夏が7歳の時に
死んだ。
海の事故で…
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―――――――
「柚夏ー。朝!」
『あと…すこし。』
「遅刻するぞ?」
『な…んじ?』
「八時半。」
ゆっくりと
体を起こし
あくびをしながら
枕元の時計を
見る、柚夏。
『剣人にぃ の
嘘つき。』
時計は
8時だった。
「だって
柚夏、全然
起きねぇんだもん。
つーか、
兄貴が朝飯だ って
言ってた。」
『今、行く。
先 行ってて。』
それに
頷き、柚夏の部屋を
出る剣人。