CHERRy


「誘っただろ?」


「誘ったわけじゃ…」


「いーや!あれは誘ったね。
それにやられた…から。」

「から?」


「今度は加奈が責任取れ」


「っはー?」


疑問を投げる前にヒロちゃんに抱き締められた。


「ヒロちゃん?」


「もう、離れないからな?
加奈の唇を知った。温かさを知った。体温は…これからだけど、」


「もうっ///」


「けど、これから知りたい。もっと色んな事。

だから、離れんなよ」


意地悪でもなく、照れることもなく。

ヒロちゃんの黒い瞳には私が映る。


もう、逃げられない。

その、真剣な瞳から──…


「当たり前だよ」

< 51 / 71 >

この作品をシェア

pagetop