変人執事とツンツンお嬢様


そうこうしているうちに、登校の時間。



「弥呼さま、お薬は……」


「学校に行ってから飲む。」


「かしこまりました。必ず飲んでくださいね?」



そう後押しされ、小さく頷きながら薬を受け取った。


そんなに心配しなくても、ちゃんと飲むのに。




「では、参りましょう。」


「…あぁ。」



高校の制服は、チャコールグレーのブレザーにスカート。

スカートにはチェック柄が入っていて、リボンは学年カラーの赤。



中学ではセーラーだったから、新鮮でいい。




「よくお似合いですよ。」


「そ、そんな世辞はいらないっ……ほら、遅刻してしまうだろう。」



部屋を出る前にもう一度鏡の前に立った私に向かって、おかしそうに笑う。


またからかって…





「お世辞などではありませんよ。弥呼さまは本当にお美しい。

とてもキラキラしていらっしゃいます。」




掴みどころがイマイチわからない「執事」に、呆れてしまう。



でも、このカタチが

私たちの距離や関係をそのまま表したものなのだろう。






.
< 124 / 173 >

この作品をシェア

pagetop