変人執事とツンツンお嬢様
このようなカタチは
親しいようで、「主人」と「執事」という隔たりがある私たちのカタチは
いつか………変わるときがくるのだろうか。
「……弥呼さま、大丈夫ですか?」
「っ…なんでもない。
…行こう。」
新しいローファーに足を入れ、新しいバッグを…
「お荷物はお預かりいたします。」
流れるような動作で、私からバッグを奪い
ドアを開ける。
「……ぁ、あの…」
「…?どうなさいました?」
見上げると、ニコッと微笑む彼がいた。
今日から新しい生活がまた、始まるんだから…
少しは成長しなければいけないよな。
「……ありがとう、ございます。」
「え………」
目を見れなくて、視線がどうしても反れてしまったけど
なんとかお礼は言えた。
「…いえ。わたくしは執事ですから、当たり前ですよ。」
くすっ と小さく笑った零慈くんは、私の手をとった。
「ただ……やはりお礼を言われるのは嬉しいものですね。」
そんな風に綺麗に微笑まれては、「今度からしっかりお礼を言おう」という気になる。
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