幸せの音が響く
 

“大体、何でアンタなわけ!?”




昨日、鷹野君のとりまきである女の子達の中で、1番中心的存在の水澤さんが私に言った。


放課後、閲覧室に行く前にトイレに寄っていくから―と先に鷹野君に行ってもらい私は後から向かった。

その途中、水澤さん筆頭に5人の女子が「ねぇ、高村さんちょっといい?」と私を呼び止めた。


あきらかに女子特有の重苦しい雰囲気。



ぅわ・・・。すごい威圧感。いくら何でも5対1じゃ・・・。

初めてこういう修羅場的状況を体験するよ。

私を見る・・・いや、睨みつける目は何を言いたいかすぐに理解できます。


鷹野君とのコトですよね? 


朝、鷹野君がクラスの皆に付き合い始めたことを発表し、それが水澤さんの耳に入らないわけがない。


水澤さんは1年の時から鷹野君に言い寄ってた。

「響〜♪」って甘い声で下の名前で、大胆に自分をアピってた。


そんな風に出来るのは自分に自信があるからなんだろうとある意味関心したりして。

そりゃぁ確かに水澤さんはキレイだと思う。

スタイルはいいし色気はあるし。だからスカートをあんな短く出来るんだろうし、シャツのボタンだって胸元ギリギリまで開けれるんだろうな。

そんな感じで水澤さんもモテて常に男の噂が絶えない。

でも、そんな水澤さんは涼子をライバル視しているよう。

水澤さんとは一味違った魅力で、本人は気付いていないがモテている涼子。

身長はスラッと高く黒髪のストレートが高校生以上の雰囲気を醸し出し大人っぽいと評判。

でも私と同様中学の一件以来、宇弥さん以外の男は嫌いで男子には冷たいが、友達の私や可愛い後輩の女の子には優しい。

男勝りで情に厚く頼れるカッコイイ女!!が学年関係無く涼子に対する女子のイメージ。

勝ち気で大人びたクールな女!!がこれまた学年関係無く男子のイメージ。



水澤さんが涼子をいい風に思ってないのはお互い様らしく、涼子も「あんな誰にでも色目使う女嫌い」と言う。


まぁ、私も色目がどうのじゃなく水澤さんみたいな人は苦手なのは確か。




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