幸せの音が響く

鷹野君との交際を公にした時点でこうなることは分かってた｡

きっと水澤さん達だけじゃなく、他の人も私が鷹野君と付き合うことに不満があるんだろうな｡



「ねぇ、響と付き合ってるって本当？」

「あんたが勝手に吹いたホラじゃなくて？」


・・私、ちゃんと鷹野君と付き合ってるよね？

彼氏彼女って言われたよね？

なら、ここはハッキリと言うべきだよね？誤魔化したりしたら鷹野君に失礼だもんね｡

鷹野君の言葉を信じて私の気持ちもちゃんと――



「実は昨日から・・」

「はぁ!?マジで!?」

「ウソーッ!!最悪ー!!」


最悪だって｡


「てか、大体何でアンタなわけ!?マジ意味分かんないんだけどッ」


それは私にも・・｡


「だよねー。可那の方が響と釣り合ってんのに」

「響、女の趣味悪くない!?何で可那じゃなく高村さん？」

「可那の方が美人で色気も胸もあんのにねー。なのに色気もくそもないアンタがどうやって・・」

「アンタ響に何したの？」　

「何って・・」


別に何もしてないよね!?


「色仕掛けで響に言い寄ったんじゃないの!?」

「そんな・・!!」


とんでもないッ!!さっき自分たちが水澤さんより色気もくそもないって言ってたじゃない｡
水澤さんより色気のカケラもない私が鷹野君を色気で落とせないよ!!


「てか色気ねぇって!!」


・・・そうですよね｡


「じゃぁ何がよくて響は高村さんと付き合ってんの？」

「遊びなんじゃない？」


遊び――


「かもねー!!純情そうな所が簡単に落とせそうとか思ったんじゃなーい!?」

「だってずーっと特定の女を作らなかったんだよ!?
それがいきなり・・しかも高村さんてあり得ないっしょ!!」

「アンタ騙されてんじゃない!?」

「てか普通分かるだろ!?響がアンタみたいな女相手にするわけねぇじゃん!!なに信じちゃってんの!?」

「バカじゃなーい!?」





・・・あの時と同じ言葉。　












あの時と―――