光の魔法を君に
彼女は俺が寝ているうちに外へ出た。
ゆっくりと閉まる扉を俺は見ても体が動けなかった。
彼女が俺に何らかの魔法をかけたことが分かる。
けど、俺にその魔法を消し去るほどの力はない。
彼女ほどの力があれば大丈夫。
そう、思ってた。
が、体が急に軽くなり腕が動いた。
魔法が消えたのだ。
「・・!?・・・ジェル!?」
すぐに、彼女に何かあったのだと察して家を飛び出した。
「ジェル!!ジェル!!」
真夜中、雨が体に強く打ちつけられる中必死に名前を呼ぶ。
すると
「・・・ぁ・・・の・・・ぁ」
微かに聞こえた声。
その声を聞いて、迷わず走り出した。