彩-aya-1

彼女様






「放せっつってんだろ!!!」


――ッ!!!??


震えた。

訳分かんないけど、震えた。



もうチビる所じゃない。


ハヤトが……怒鳴ってる。




そして、震えたのはそれだけじゃなくて、


「……ヤダ」


この女の体温。



冷たい。

この世の物じゃないんじゃないかってくらい、冷たい。



……すぐに分かった。


どんなにバカなあたしでも。




この2人は……何かある。


「ふざけてんじゃねぇ!!! いい加減放せ!」



――怖い。


さっきとはまた違う、怖さ。




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