AZZURRO
雪乃の答えに
クリスは胸が痛んだ


誰にも触れさせたくない

傷つけたくない

日に日に強まる想いに
自分でもコントロールできない位の

独占欲と愛情が溢れだす


クリスは
そっと雪乃の手首に口づける

「もう、こんな目には合わせない。
約束しよう。

何があっても…私がそなたを守る。」


力強い言葉と
深い藍色の瞳に見つめられ

雪乃は
胸が熱くなるのを感じた

そして
執務室までクリスに抱きあげられたまま
移動していた


「失礼します。
そろそろ時間が迫ってきましたので
お話をよろしいでしょうか?」


突然割り込んだジャンの言葉に
一瞬クリスは表情を曇らせたが
椅子に座ると
雪乃を自分の膝の上にのせた



いや、ちょっと
さすがにコレは…まずいんじゃない?

焦る雪乃を無視して
クリスやジャン
ポール、ゴルチェまでもが席に着く
全員の着席を確認して
ジャンが口を開いた
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