気付いたら、悪魔の腕の中。



 「・・・なるほどね。結城ってさ、やっぱり神宮寺に恨み持ってるね」


 
 「あたしもそうかなって思った」



 「にしても、環に手を出すとは許せん!」



 潤ちゃんはすごい綺麗なんだけどものすごく男前で男子もタジタジなんだよね・・・。



 「・・・でも、ゆうちゃんにバレたくないし」



 あたしたちはなんとなく屋上に来ていた。
 1限は潤ちゃんの大嫌いな数学なのでパスすることに大賛成だった。


 

 「それじゃあ結城の思うツボじゃないっ。やっぱ・・・神宮寺に話したら?」



 「それは出来ないよ。ゆうちゃんに話したら、嫌われるだけだし」



 「・・・環、本当にそう思ってるの?」



 
 「え?」



 いつになく真剣な潤ちゃんにあたしはビックリした。

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