近々未来な彼
人が並ぶエスカレーターも駆け足ですりぬける。
走ったのとさっきの出来事のせいか、鼓動が全身から聞こえてくる。
さっきの言葉が頭から離れない。
【センパイトワカレル】
だって。
胸がきゅっと締め付けられた。
少し乱れた呼吸を整えるために、深く息をはく。溜め息みたいになってしまったけど、そうじゃないんだ。
考えてみると笑えちゃう。
ああやってきっと私のことからかったんだ。うん、きっとそう。
勢いで、すぐに映画館に戻ってきちゃった。
先輩どこだろ?
「はははは!」
先輩の笑い声が聞こえる。
フードコーナーやチケット売り場から離れたところにあるソファーに、もたれかかっていた。
まだ電話中みたい。
やっぱり戻ってくるのが早かったみたい。
私が見たことないトーンで笑っている。
そこがどうしても気になった。
「今日は?んー、まあ映画終わったらすぐ帰らせるよ。そしたら会いに行くから。」
映画館は暗い。
だから先輩は私がすぐ近くに居ることに気がついていない。
これって盗み聞きになっちゃう?
会いに行くって誰に?
*