magnet


伝わる体温が熱くて、私も熱くて、ジタバタもがくも絡まるばかり。


何でこうなるの。本当困る。


「ねぇ、離して」


「……ん。……嫌、離さない……」


「っ――じゃなくて!だから……!」


全力で反攻しようとしたけど口を閉じた。


何とも穏やかな寝息と寝顔。


コイツ、熱出るとタチが悪い。


「っ~~!」


眠っていると言うのに力は弱まる事を知らない。腹をくくるしかなかった。


起きるまで大人しくしよう。待っていよう。


そうすれば、いつの間にか夢の中へと引き込まれていった。



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