magnet
そうか。そんなに早く行事が迫っていたのか。
と思いつつ、今すぐ帰りたい衝動に駆られていた。かなり本気で
「気持ち悪」
「そんなことないって、すっごい可愛いよ~」
ご満悦のように満面の笑みを浮かべてくる。
「どこからこんなの持ってきたの」
「学校がね、色々用意してくれるんだよ。この学校凄いからね。去年もそうだったでし
ょ?覚えてない?」
覚えているはずがない。もしかしたら抹消したのに近いかも知れない。
それくらい自分の姿が気持ち悪い。
「やっぱ、不参加で。これ脱いでいい?」
「駄目ー」
無言の圧力を掛けてくる愛架がものすごく怖い。笑ってるのに笑ってないんだよ。
愛架はこういう行事大好きだから仕方ないのだろうけど。
もう一回言いたい。帰りたい。