magnet


こうなってしまった以上、帽子を深く株って顔を悟られないようにしよう。そうしよう。


どうせ愛架は逃げることを許してくれないのだから。


「心菜」


「何」


「可愛いから自信持てば?」


「……どーも」


仁は嘘もお世辞も言う奴じゃないと知っている。だからと言って恥ずかしい事この上ない。


って言うか尚更可愛いとか言わないで欲しい。似合わない。


言うなら愛架だよね。何の格好かは知らないけど全体的にふんわりしていて可愛らしい。
女の子らしい。


より一層深く帽子を被った。




< 130 / 215 >

この作品をシェア

pagetop