magnet
こうなってしまった以上、帽子を深く株って顔を悟られないようにしよう。そうしよう。
どうせ愛架は逃げることを許してくれないのだから。
「心菜」
「何」
「可愛いから自信持てば?」
「……どーも」
仁は嘘もお世辞も言う奴じゃないと知っている。だからと言って恥ずかしい事この上ない。
って言うか尚更可愛いとか言わないで欲しい。似合わない。
言うなら愛架だよね。何の格好かは知らないけど全体的にふんわりしていて可愛らしい。
女の子らしい。
より一層深く帽子を被った。