magnet
今日この日だけは朔に会いたくない。
だから一瞬の隙をついて愛架から逃げ出した。
愛架がいたら、行こうだの何だの言われるに違いないから。
とりあえず、お菓子だけ貰って何処かに避難しよう。
「……!」
その矢先に目の前から女子数人発見。その中に真理亜ちゃんも混ざっていて、
「っ」
バッチリ目が合った。
合っただけであって何もない。だから視線をそらして立ち去ろうと思った。のに。
「ここ先輩っ」
あろうことか数人から抜け出してパタパタと走って来たのだ。