magnet
ようやく見つけたのは何故か被服室。
そこの机にもたれ掛かるように眠っていてご丁寧に毛布を肩に掛けていた。
「……先輩。何でこんな所で寝ているんですか?」
声を掛ければ少し顔を上げてトロリとした目だけを向けてくる。珍しく、眠いと分かる表情だった。
「ん……何これ寒い」
起きたと思えば今度は頭まで毛布を被る始末。
これ、どうすればいいんだ?
と思えば今度は急に起き上がった。
忙しいな。
「あぁ。また見つかったのか……」
「……見つかったのか。じゃねぇです。こんな所で寝て」
「いや、何で怒ってるの」
「怒ってねぇです」
ちょっと苛ついたけど。でも、俺が苛つく意味が分からない。
そう思った時だった。