magnet


「なるほど、それはキュンとくるね」


「今そんな話じゃない」


試合もボチボチ始まり私と愛架は体育館の二階へと移動していた。


体育館の二階は見通しがよくて見渡せる。


そこは何も問題ない。問題は何で愛架がさっきの出来事を聞いて今の言葉を言えるのかと言うことだ。


「ごめん。そんな怖い顔しないでー。勝算云々より、勝ってほしいなー。って私は思うよ。心菜も湊くんが負けるとこ見たくないでしょ?」


負けるところ、ね……見たくないとかより想像出来ないと言った方が正しいかもしれない。自信満々だし。


でも、何となくさっきの言葉は関係なく応援してあげようか。という気になっていた。なんて。


「心菜心菜!」


「きゃあ!?」


唐突に腕を引かれてカクンと体が斜めになった。所で踏み留まった。


今度は何なんだ……



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