magnet
口を尖らせている愛架は不服そのもの。
期待しても何も出ないよ。
「ほら、試合見よ」
「はーい。次は湊くんだもんね」
そして、この試合も難なく勝ってしまうチーム。
どんだけ強いの?
「これ決勝までいくんじゃない?次は……準決勝みたいだし」
「まさか。ありえ「応援してくれないんですか?」」
何故かたった今試合が終わった人物が隣に居た。私達と同じように事故防止の為の壁に体を預けるようにしている。
「何でいるの?」
「だって、さっきは先輩どっか行っちゃったじゃないですか」
「なるほど。湊くんは心菜が好きなんだねー」
また、愛架は変なことを。呆れて言葉が出ない。いや、もう出す必要なんてないだろう。