magnet
私の湊に沸点が低いせいでもあるけど、どうも湊は神経を逆撫でするのが上手いらしい。
これどうすればいいの。と再び内心で呟く。当然答えは返ってこない。
「あーだめだ。考えるの止め。めんどくさくなってきた」
「こう言うときは変に考えない方がいいかもねー」
と、いつの間にか私の指を持って爪に一生懸命マニキュアを塗っている。
考え込み過ぎて気が付かなかった。
「いや、何してんの?」
「心菜が反論しないように出来る魔法を掛けてるの。この指先を見ればきっと心も落ち着くよ」
正直、意味が分からないがやる事が可愛らしくて黙った。
……何とかなるよな。とそんな気がした。