magnet


愛架の行為は嬉しかったけど、あまりに派手にやりすぎたため注意され、指導室で落とすハメになった。


そんな帰り。


「……」


何ともまあ間の悪い事に、告白現場に遭遇した。見覚えのある姿。


篠田さん、だ。多分。


「……ごめんなさい」


「ちょっとでも、一週間とかでもいいからさ」


やけに食い下がるカッコ悪い男。篠田さんも困っているよう見えた。雰囲気からして大人しい性格みたいだから強くは言えないのだろう。


見てしまった以上無視は出来ない。そして、その道を通ろうとしていた私である。


「な?いいだろ?」


「やっ……!」


何で私がこんな事、キャラじゃないよね。と自分で自分を笑いながら、飛び出して篠田さんを掴んでいる男の手を叩いた。


ぺチンッと本当に軽く。








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