magnet
愛架は目をキラキラと輝かせ始めた。
「あの子、自分の長所よくわかってるよね。あの髪色も、ピンの絶妙な留め具合!カッコ可愛い感じかな?」
ピンなんか止めてたっけ?……だめだ。思い出せない。
「程よい着崩しもピッタリ。難癖つけるなら口論してた通りもう少し身長欲しいかな」
相づちを打たなくとも、何処の評論家だ。と言いたくなるくらいに外見を指摘する。
まさか湊くんもこんな話されているとは夢にも思わないだろう。
「そして感心したのが最後の引き!急にしおらしくなるのは反則だよ。演技でも上手だよ」
そこ、誉めるんだ。
と思いながらとりあえず鼻で笑っておいた。
「心菜だけにあの態度なのかな?だとしたら中学生特有の好きな子には意地悪してしまう青春病かな?」
愛架はそろそろ前を見た方がいいと思う。先生がこっち見てる。
あと、青春病なんて病気初めて聞いたよ。