magnet


「な……に。連れて来てんの」


ガリッ!と思わずまだ大きい内の飴を噛んでしまった。


どうやら私は驚くと飴を噛んでしまうらしい。とそんな事はどうでもいい。


「凄い音がなりましたよ?」


「こ、こんにちは……っ!」


問題はこっちだ。


「一年生もちょうど自習だったみたいだから連れてきちゃったー」


軽いノリで連れて来て駄目と思うのは私だけかな?


違うよね。真理亜ちゃんは落ち着かない様子だし、仁は……興味ないよね。そうだよね。カラカラと飴を舐めてるもんね。


「私は嬉しいんだよ。一年生の子と仲良くなれて。それに、心菜と湊くんが仲良くなってくれて」


「……」


来たところで帰れとは言えない。ここは大人しく受け入れよう。


仁が「あぁ、青春病の奴」とか独り言言ったけど何も言わないでおこう。うん。



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