幼なじみ改造計画
「ね、ねえ、何処に行くの、早いよっ!!」

「あ、悪い……」

 余りにも早く走る冬馬が引く手は痛くて、わたしは逆に冬馬の手を引っ張って、立ち止らせた。

「ほら、荷物持ってやるよ」

 息を切らしていた、わたしを見た冬馬は、少し申し訳なさそうな眼をして、わたしの鞄を持ってくれた。

「……ありがと」

 そんな冬馬の目は可愛くって、少しドキドキしながら、わたしはもう一度手を差し出した。

「ゆっくり行こうよ。散歩みたいにさっ」

 冬馬と一緒に買い物。
 それは久々な事で、わたしは少し嬉しい気分になっていた。
 ……違う!! 違うよ、美羽。
 わたしは、冬馬と買い物しに来たわけじゃないでしょ!!

「そうだな、ゆっくり行くか」

 自分とわたしの鞄を左手で持ち、冬馬はわたしの手を握って微笑んだ。
 ……そうだね、まあ、着くまでの間だったら、冬馬と居る時間を、楽しんでもいいよね。
 そうやって、わたしと冬馬は仲好く手を繋ぎながら、目的地へと歩いて行った。
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