幼なじみ改造計画
 連れて行けと言ったわたしを、冬馬は驚いた顔で見てくる。
 そりゃ、そうだよね。いつも、嫌がっているわたしが、オタクな買い物に付き合いたいなんて、言ってるんだからね。

「お前……」

 あ、やばいな……
 さすがに何か企んでいると思われたかな。
 冬馬はジーっとわたしの顔を見つめてくる……
 その顔は……やっぱカッコよかった。

「ついに、こっちの業界に目覚めたのか!?」

 どこの業界だよ……
 っていうか、何も、疑わない……
 冬馬って本当に、頭いいのかな?

「ま、まあ、たまにはね。冬馬が1人だと、また無駄遣いしちゃうでしょ!!」

 うわぁ……わたし、嘘下手だなぁ。

「そっか、そっか!! そうと決まれば……俺がお前に色々教えてやるよ!!」

「え……きゃ!?」

 無邪気に嬉しそうな顔で冬馬はわたしの手を引っ張って走り出した。
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