幼なじみ改造計画
「さあ、着いたぞ、美羽!!」
おかしいな……さっきまでの楽しい雰囲気、どっかに飛んでいちゃった。
着いた場所は、駅前通りの街から、少し外れた場所。
「……この街……こんな場所あったんだ……」
なに此処……?
洒落たショッピングモールの裏手のビル。
そこは……
「これ……小学生?」
「ばかだな~!! それはれっきとした17歳の魔法少女、ピカリンたんだぞ」
なんか女子高生の制服を来た、小学生みたいなアニメキャラクターの巨大人形が立ち並び……
「なにこの歌……? 聞いた事ない歌手なんだけど……?」
「お前、しらねーの? これ、超やばい大人気神声優だぞ!?」
ビルの中に一歩入ると、なんか変なテンポで何を言っているのかよくわからない曲が大音量で垂れ流されている。
おまけに……
「いやー、昨日の魔法少女ピカリン見ました、中川氏ぃ~?」
「見た見た。マジ神回でしたな~、中尾氏!!」
お洒落なんて言葉とは無縁の世界に居る連中が、至る所で鼻息を荒くして会話を交わしている。
ううん、それ以前に……
「いやー、テンション上がって来たな美羽!!」
「ちょ……名前、出さないでよっ!!」
オタク以外の人種が見当たらない!?
……絶対、学校の友達には会いたくないよ。