十人十色~君の声を聞かせて~
「……なんだ」
「いや、だって、どう見てもそれ汚いよ! そんなもの食べたら病気になっちゃうよ!」
「……こうでもしないと生きていけないだろ。世間でいうホームレスなんだから」
「う……そうだけど!」
「さっきいっただろ。同情はいらないって。それに慣れてる」
「…………い……」
ことごとくいい返してく男の子にわたしは、
「……いいから黙ってついてきなさーい!!」
と怒鳴って、ホームレスくんの手を無理矢理引っ張った。