<<side続編>>双子とあたし。
私は悠太を見つめた。
彼はその視線に気付いたのか、こちらを見てくれた。
互いに微笑み合っていると、私たちの前に長い影がいた。
その影の張本人を見ようと、私は目を霞めて眩しい扉の向こうに視線をやる。
そこには…――――――
「結婚、おめでとう。薫、悠太」
「あ…」
何年ぶりだろう。
悠太がいないとき、支えてくれたのは彼だった。
その彼が今、一回り大きくなったようにみえる。
そういえば、彼は自衛隊に入隊していた。
その毎日の訓練が彼をこんなにも引き締まった身体にさせたのだろう。
「……悠斗」
私は呟く、彼の名を。
悠斗はにっこりと目を細めた。
「綺麗だ」
まるで別人にでもなってしまったような悠斗の顔を直視できなくて、顔をうつむかせた。
頬が熱い。
すると、近くで甘い香りがした。