<<side続編>>双子とあたし。
「あっはっはっ!」
「離れろ、慎司!」
「えーーー、ど〜しようなかな?」
すると慎司は自分の頭をこつんと薫の頭に軽く打ちつける。
「やろ…!慎司。お前、やっていいことと悪いことがあるだろ」
悠太が怒りのあまりに慎司に飛びかかっていく勢いだったので、一輝はその両腕を後ろから捕えた。
「…!一輝!……お前まであいつらの味方すんのかよ」
「馬鹿を言うな。俺はいつだって永世中立国だ。俺が言いたいのは、新郎が暴力沙汰を起こしていいのかって話だ。しかも花嫁の前で」
「うっ……」
一輝に最もな事を言われて何も言い返せなくなってしまった。
確かに、自分が他人を殴る姿を薫は望んではいないはずだ。
納得したように悠太の威勢が落ち着くと、それをいち早く察知した昂太は先程のお返しにと叫んだ。
「暴力新郎!」
悠太は何も言わずにただ昂太を睨んだ。
そして、一輝もまた悠太の後ろから『お前は黙っていろ』と制圧するように、睨みつけていた。
それに怖気づいて肩を震わせた昂太はもう何も言わなかった。