おべんとう
母親
私の母親の躾は暴力も取り混ぜたものであり、ある意味スパルタだった。私が社会人になるまではよく叩かれたものである。弟はそれに耐え兼ねず家出してしまった事もある。私も良く荷物をまとめたものだ。そんな母親におべんとうの文句を言うには相当な勇気が必要だった。しかし、これが3年間続きいつかイジメにあうのではないかと不安になり、勇気をふり絞って訴えた。「お母さん、あの…おべんとうなんやけど、ご飯カチカチになったの嫌なんや、もうちょっと普通のいれてほしい。」すると母は「何言ってるの、世の中にはまともにごはん食べられへん人もおるんよ、そんな贅沢言って。」「でも、朝にご飯たくとかできん?」「あんたは本間に…電気代かかるし家にはそんな余裕ない。」という感じで私の願いは叶わなかったのである。
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