HELLO
よかったと、私は息を吐いた。

親太朗を失わないでよかった。

長いつきあいの幼なじみを失わないで、本当によかった。

「それにしても…」

私、祐二を好きになってたんだな。

いつの間にか、彼に恋してたんだな。

初めて自分の気持ちに対して、素直になれたような気がした。

1人になったリビングで、私は静かに笑った。


翌朝。

「ほな、行ってくるわ」

「行ってらっしゃい」

同居していた頃と同じように、私は玄関で親太朗を見送った。
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