白い華
死に方が死に方だけに、世間の目を気にしたのか、親の都合なのかは知らないが、お通夜と告別式は行わず火葬だけらしい。



詳細がわからないので、真実はわからないし、興味もない。


火葬場に着くと、順番に別れの挨拶だった。



係員から白い花を一輪もらい、棺桶にいれる。



僕は顔の横に花を添え、そのまま通り過ぎた。



焼香をしようと顔を上げると、写真が飾ってあった。



夕日なのか朝日なのかわからないが、それをバックにあの子らしき人物が写っていた。



棺桶も写真も偽物だ。
気分が悪い。
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