☆ハイローハート
「あこの家の匂いがする~」

と何故か興奮気味のナル

部活をしていないあこは遊んで帰ってこない限り帰宅は早いはずで、すっかり部屋着のくつろぎモードだった

茶色の髪を派手なシュシュで一つにまとめている


「飲み物温かいのがいい?冷たいのがいい??」


とよきは相変わらずここに来る前にコンビニでおにぎり2個買っていて「熱いお茶がいい」と、早速食うべく開封している


あこが熱いお茶を置くと、後ろでまとめてもらえなかった前髪がはらりと落ちてくる

……あれ?
この人、雰囲気変わった??


「あこ……なんか、何か変えた??」

と思わず聞くと、「何かって何?」と以前と全くかわらない強めの口調で聞き返されて首を傾げた

何が違うって言われてもよくわからないけど


カリカリと音がすると、サリーの後にカブが続いて入ってくる

猫がいつでもどこでも出入りできるように、この家では扉をきちんと閉めることはない

サリーは一目散にとよきのもとへ行き、20センチ間隔をあけて座った

……なんだその20センチの距離は


カブは周辺を少し歩いてから、サリーの近くに身を横たえた

凛と座っているサリーと対照的すぎる


「カブ痩せたね~」


とナルが言うと、あこが「うそ、ホント?」とカブを見る

「うん、俺ここの来るのめっちゃ久々だから思うのかな??
前より痩せた気がする」

みんなの視線が一斉にカブに向かったけれど、ヤツは寝転がったままのんきにまばたきをしていた

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