コスミックダスト-戦塵の宮殿
ミドリはあれから食事を摂っていない。

食欲がないのか。

それとも断食しているのか。

「何か食わねえと体壊すぞ」

オレが心配しても、「分かっている」 と言うだけで、さっきからずっと空を見上げている。


メイドが食事を運んで来た。

運んで来たのは50代半ばのオバサンだ。

リズミーはもうこの世にはいない。

もしも初めからオレたちに付いたメイドがこのオバサンだったなら、オレとリズミーは一生会うことがなかったかも知れない。

そうしたらリズミーは死なずに済んだのかも知れない。

だけど、そうなるとリュイがオレの母だと知らないまま終わっていたかも知れない。

もしも。

と言う言葉は未練たらしいから嫌いだ。

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