あんたとあたし。



 毎日会ってるため、この店のオーナーさんとはすでに顔見知り。


 ・・・とゆうか、知り合い?みたいな感じ。



「てゆーか、うちの野球部、案外強いんじゃん。」


「俺らが中学ん時から強かったって。」


「じゃあ龍は、野球部に入りたくてうちの学校に来たんだ?」



 持ってきてもらったお冷を傾けた。


 横目で、龍の顔を見た瞬間、びっくりした。



 ・・・あまりに切なげに、窓の外を見てるから。



 あたしも視線を追うように外を見た。


 仲良さげに笑う、制服姿のカップル。


 一瞬目を閉じて、龍が口を開く。



「俺は不純な動機で来たかも。」



 龍の言いたいことがわからないわけじゃなかった。


 でも、わからなかった。


 なるべくそれを意識しないようにして、ミルクティーを二つ、注文した。



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