読めない手紙
お弁当を受け取って、駅まで走る。
水たまりをジャンプして越えて、跳ねた泥が靴下についた。
でもそんなの気にしない。
学校行って洗えばいいのです。
お構いなしに走っていたら、スカーフがするりと胸元から消えた。
「あれっ!?」
なんで??
「おはよ、らみ」
あわあわとスカーフのなくなった胸元をカサカサと探していると、背後から声がかかった。
「シュン!」
瞬は私の幼なじみ。
イケメンで、背も高くて、爽やかな笑顔が女の子たちを惹きつける。
私は違うけど。
今も瞬は道行く女の子たちの視線を集めていたけど、私は瞬の手にひらひら揺れてるスカーフに釘づけだった。
「どうやって取ったの?すごっ」
「らみが鈍いんだよ」
そう言いながら、私の胸元に元通りスカーフタイを結ぶ。