二次元ラウ゛
貰ったサプリメントを一気に頬張る。あやうく思い出してしまいそうだった苦い記憶をかみ砕くように。


あんな奴のこと思いだすなんて…クソ


向かった先は秋葉原の電気街にある某ライヴ会場。


今日は声優の桃原理奈のCD発売記念イベントで、アルバム購入者のみが応募できるシークレットライヴなのだが、見事に当選したというわけである。


理奈は現在放送中のアニメ『電撃処女びびたん』のびびたん役として活躍する、注目の新人でアイドル並のルックスも受けて今や専門誌では引っ張りだこの存在だ。


『びびたん』はオーソドックスなストーリーだが、今流行りの“ツンデレブーム”にあやかって見事にヒットしたラブコメ作品といえよう。


ストーリーはざっとこんな感じである。



ある惑星の姫・びびたん(地球年齢17歳)が、突如、主人公であるタケル(15)の前に現れる。

深刻な少子化で王族の血縁が途絶えてしまうことを恐れた惑星政府は、びびたんを地球に派遣し、最も男子を産む確率の高い家系に育つタケルとの間に子供、すなわち王をつくらせようとしていた。

だが、びびたんは才色兼備ではあったが、過保護の教育を受けていたために性に対する知識のみが欠如していた。


派遣直後、びびたんは年下のパートナーに不満を募らせ、姫というプライドから常に上から目線で接する。思春期真っ盛りのタケルは対抗策として下ネタを浴びせる。次第にびびたんの中の性交に対するイメージが支離滅裂なものと化し、いよいよ子孫づくりは困難に。


惑星の将来を担う、そんな二人のはちゃめちゃ同棲奮闘記である。


僕はこのアニメのヒロイン・びびたんに心底萌えていた。
それは恋以外の何ものでもなかったと思う。びびたんの笑顔に、いつしか僕は救いを求めていた。

スラッとした長い手足にツインテール。パッチリした二重の眼とバランスのいい胸。
強がるくせに、実はシャイな性格。
そして何より


二次元は裏切らない…


びびたんこそ僕の理想の彼女といえた。
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