月の下でキスと罰を。

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「来月は海を渡って、初めての展示会だね。良かったな決まって」

 小田桐は、湯気の出る入れ物を持ち、たまに口を付けて飲み、瀬良に話しかけている。瀬良はというと、作業台で人形の顔を持っていた。

「海外は、刺激と発見の連続だ。行くといつも思う」

 遠くを見つめ、楽しそうに話す小田桐だった。

「小田桐さんの役に立てて、嬉しいです」

 休み無く手を動かしながら、瀬良は言う。

「それは、こっちの台詞だよ。瀬良くんの輝きのお陰だ」

 以前のように寒さに震えて、顔色の悪い瀬良ではなかった。

 外は雪が降っていたけれど、瀬良も小田桐も、たくさん着込んでいるわけではなかった。雪はチラチラと降っているだけ、積もってはいないみたいだ。

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