3両目の王子様 【短編】
*…忘れられない。
次の日から、あたしは3両目に乗るのをやめた。
のってるだけで、恥ずかしい。
浮かれてた自分を思い出すようで。
わかってるのに、時々思い出してしまう。
彼に初めて触って、初めて話したあの日のこと。
まだ好きなんだ、ごめんね。
ずっと好きだった人を、すぐ忘れられるほど
あたしの心は都合よくないんだ。
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