うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
「…………俺、にゃあに逢いに行きたい。
行ってきていー?」
思い出したら堪らなく逢いたくなった。
妙にウズウズする手をぐっと握りしめた。
「…………駄目だ。こんな時間に行けば迷惑だろう?」
午後9時を回った時計を見ながらハルはあっさりと却下した………。
「……………ケチ。」
「…………夜……。」
ふてくされた俺にハルは長いため息をついて
「………うさが待ってるから帰るぞ………。
今日はこの子猫でも見て我慢しろ。
………だいたいおまえ、にあちゃんと付き合う前…ずっとガキの頃から子猫だけはやらた好きだっただろ……。」
「…………そーだっけ…………?」
ハルの言葉に首を傾げた。
俺って………なんでこんなに子猫だけは気になるんだっけ?――――――――――…………………