死のスケッチブック
しかし親友で幼馴染の真名が、実花の全てを知っているというワケでもない。

「生前、誰かにスケッチブックのことを話していたのかもしれませんね。そしてあなたのことも」

「…だとすれば、説明がつくな。実花と私の関係を知っていて、そして私がいつもは持たない物を持っていたならば、な」

「思い当たる人物はいませんか?」

「地元からはいないな。しかし…」

実花は絵の関係で、そっちの交友関係を築いていた。

真名が知らないなら、そっち方面だろう。

「美術関係か…。しかしウチの学校の誰が…」

と呟いたところで、今朝の女の子のことを思い出した。

伊和未との騒動があった後、自分を見ていた女の子。

実花と同じく、大人しそうな雰囲気があり、そしてイジメられるタイプに見えたあのコ。
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