死のスケッチブック
「まさか…あのコが?」

「思い当たりました?」

「一人…。今朝、私を見ていた女の子がいた。私は知らないが、向こうは知っていたかもしれない」

もしかしたら、真名がスケッチブックを持ってきたのかもしれないと、教室まで見に来たのかもしれない。

そう考えると、全てのつじつまが合ってしまう。

「学校へ行ってみましょう。まだ絵が完成していないなら、止められます」

「そうだな」

真名と魅弦は立ち上がった。

学校までは歩いて二十分、しかし二人は走って八分で到着した。

「美術室は一階にある!」

「間に合えばいいんですけどね」

午後になってすぐに盗まれたのならば、絵は完成してもおかしくない。
< 54 / 77 >

この作品をシェア

pagetop