秘密

奏が帰ってしまった屋上で、一人弁当を食う。
ホントは一緒に食おうと思って、鞄ごと持ってきたんだけど…

ハンバーグ、旨い。
一緒に食べれたらもっと旨かったはず、残念…

食べ終わり、いつものように横になる。

当然だが牛にはならない。

昨日は殆ど寝てないから、すぐにでも睡魔が襲ってくると思ったけど、全然眠くならない。

頭の中は奏の事でいっぱいだった。

佑樹とあまり二人きりにするのはよくないな…
かといって四六時中奏のそばに居る訳にもいかないし…

とりあえず土日は、誰がなんと言おうと奏は家に連れて行く。片手で一人では何も出来ないはずだから、家は母さんも居るし、俺が留守しても奏の面倒を見てくれるはず。

二日間奏を連れ出す為には、佑樹をどう誤魔化すか…
また奏を酷い目に合わす訳にはいかない。

仰向けになり、組んだ腕に頭を乗せて、空を見上げながら色々考えていると、

「佐野君」

俺を呼ぶ声に、身体を起こし梯子の下を見下ろすと、そこに居たのは美樹。

「…美樹ちゃん?」

「…ちょっと、話があるんだけど、いいかな?」

「うん。降りてくる」

梯子を降りて、壁に背を向けて立つ美樹の横に並ぶ。

「…かなちゃん…怪我してた」

「…うん…さっきここに来た」

「……佐野君…かなちゃんの事、好きでしょ?」

隠すつもりもない。

「…好きだよ」

「でも佐野君…彼女居るよね?」

「別れた」

「え?ホント?」

美樹は俺の顔を見上げて驚いたような顔をした。

「ホント…」

すると美樹は真剣な表情に変わり、俺の目を真っ直ぐ見てきた。

「…かなちゃんの怪我…どう思う?佐野君」

美樹は全て知ってるかも知れない。
佑樹との事も俺との事も…

だったら話しは早い、美樹に協力してもらった方が奏を守れる。

「…奏は転んだって言ってたけど、俺はそうは思わない」

「うん。あたしもかなちゃんにそう聞いた、でもそれ、嘘だと思う…」

「…佑樹だろ?」

「…佐野君…知ってるの?かなちゃん……佑樹君にDV受けてるみたいなの…」

その言葉を口にする美樹は、泣きそうな顔をしていて、俺は、

「美樹ちゃんの知ってること全部教えて」



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