秘密
◆◆◆


アパートに戻り、直ぐにバイトに行けるように着替えてから部屋を出る。
階段を降りていると携帯が振動して、見ると美樹からのメール。

実は昼休みにメアドの交換をしていた俺達。

『今、佑樹君が来てるから』

一言そう送られてきた。

『わかった』

返信して携帯をジャンパーの胸ポケットにしまう。

……佑樹。
何しに来やがった…

美樹が居てくれてホントによかった。

「佐野、美樹が玉ねぎ買ってこいって、スーパーかどっか寄ってこうぜ」

拓也が俺のバイクに寄り掛かり、開いていた携帯をパチンと閉じる。

「うん。美樹ちゃんちの近くにあるだろ?ほらヘルメット」

メットを拓也に放ると両手でキャッチ。

さすがバスケ部。

「おう。サンキュー♪しかし佐野って男から見てもカッコいいよな?」

「………惚れるなよ?」

「!ばっ…惚れるかっ!アホ!」

…おいおい。
冗談なのに、顔が赤いぞ?拓ちゃん……

「……俺、拓ちゃんとならいいよ」

「な…何言ってんの?お前…」

「拓ちゃんとなら、俺、一線越えても…」

と、拓也ににじり寄ると、

「すまん佐野!俺にその趣味は無い!」

赤い顔が今度は青くなった。
おもしれぇ。

「…冗談だよ、はは」

「なっ!一瞬本気にして焦っただろ!アホ佐野!」

「はは。ごめん」

バイクに股がりメットを被る。

「さあ拓ちゃん乗って?俺の腰にしがみついてくれ」

とタンデムシートを軽く叩く。

「…だから!その手の冗談やめてくれよ!」

言いなからも拓也は後ろに乗る。
腰にはしがみついてくれないけどね?

ちょっと悲しい…(訳あるか)

キーを回してエンジンをかける。
心地良い音。

「やっぱりバイクいいな!俺も免許取ろうかな?」

「あはは。取れたらツーリングとか行こうか?」

「おっ!いいなそれ!先ずは金貯めないと!俺もバイトしよう!」

ギヤを入れ、アクセルを回す。

道路に出て加速すると、拓也はハイテンション。

「ヤバ!超気持ちいい!」

と何処かのメダリストが言ってたような台詞を吐く拓也。

アクセルを回し、美樹の家へと向かってバイクを走らせた。


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