秘密

営業スマイル全開のカケル。
拓也は名刺を受け取り、繁々とそれを見つめる。

「【goddess】…何の店ですか?」

「ホストクラブだよ?」

「……えぇぇえ?」

おい、拓也。
はじめにホストってカケルが言ってただろ?
聞いてなかったのかよ…

「無理無理無理!ホストとか無理です!」

「ほらカケルさん、無理だって。残念だったね?はは」

俺はそう言いながら、完熟マンゴーと一粒約500円の苺をカートに入れる。

「ホストって言っても仕事は様々だよ?なんか誤解してない?」

「誤解って?」

「裏方の仕事もあるって事、実際俺だってこんな買い出しまでしてるしね?」

「裏方の仕事ってどんな仕事ですか?」

「普通に厨房とか皿洗いとかウエイターとか…」

「…皿洗い…それだった俺にも出来るかも…」

メロン。奏好きかな?
いいや、入れちゃえ。

「そうそう、そんなに難しく考えないで、軽い気持ちでいいからさ?茜の奴、若いくせに頭が固いんだよな…」

「カケルさんは佐野と付き合い長いの?」

「1年位かな?茜がバイトしてる居酒屋の常連なんだよ俺、君は同級生?」

「はい。佐野って居酒屋でバイトしてんるだ?って、おい佐野!」

「え?何?拓ちゃん?」

「お前それ入れすぎだろ?」

スイカをカートに乗せようとしていた俺に拓也が言ってきた。

「美樹ちゃんスイカ好きかな?」

「うん。好きだよ、そりゃもう志村○んばりの食いっプリ…って違う!戻せよそれ!」

「あはは。いいんだよ、何でも入れろって言ったの俺だから」

「…だからって、俺達バイクだろ?どうやって持っていくんだよ?」

「あ…忘れてた…」

「俺が車で持ってってやろうか?」

「そうしてもらえると助かります…ありがとう、カケルさん」

とニッコリと笑う拓也。

「……その顔…ヤッパいいわ…可愛い弟キャラ決定だね?うちの店に欲しかったタイプだ…」

「へ?弟?」

「いや、何でもないよ、拓ちゃん?名前は?」

「久保田拓也って言います」

「バイトの事、真剣に考えてよ?ホントに人手不足でさ、正直困ってるんだ」

「…彼女と、相談してみます」

「うん。期待してるよ?」


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