秘密
「ポルシェ・986・boxstar!」
駐車場の中心で拓也が叫ぶ。
「スゲー!カッケェ!初めて生で見た!コレ、カケルさんの?」
「うん。そうだよ、乗ってく?」
「えっ?いいんですか?」
「どうせ荷物運ぶし」
「やったー♪今日はツイてる♪」
「…拓ちゃん、そっち乗るならタクヤ持ってよ」
俺の胸元から顔を出すタクヤを拓也に渡すと、タクヤを胸にギュッと抱きしめ、キラキラと瞳を輝かせている。
…拓ちゃん、タクヤが超似合う。
「…拓ちゃんは、やんちゃ系って奴だよ」
カケルが俺の肩に手を置き、ボソリと呟いた。
やんちゃ系ってなんだ?
俺はカケルの言っている事がよくわからず、キョトンとしていると、
「拓ちゃんって、なんか可愛いだろ?ついからかいたくなったりしないか?」
ああ。
それなら何となくわかる。
俺は頷いた。
「ある意味、あれも天然のタラシだ、茜と同じだな?ははは」
「俺はカケルさんとは違うよ、第一タラシじゃねぇし」
「あのアスカに言い寄られる男なんか滅多に居ないよ、それだけで立派なタラシだ、拓ちゃんがやんちゃ系弟キャラなら、茜は無口な一匹狼キャラだ」
…何勝手にキャラ設定してんの?コイツ…
「カケルさん早く行こうよ♪佐野も一度かなちゃんちに寄るだろ?」
「うん。行くよ、まだバイトまで時間あるし、スイカ食う美樹ちゃん見たいし」
「美樹ちゃんって?」
カケルが聞いてきた。
「俺の彼女です」
「よし、バイトの件、俺からも彼女に頼んでもいいかな?」
「あ。そうしてもらえると助かります」
どうやら拓也は本気でカケルの店でのバイトを考えているらしい。
カケルめ。
上手く拓也を操縦してやがる。
…やっぱり食えない男…
「カケルさん、他にも車持ってるの?」
運転席に乗り込むカケルに拓也は聞いた。
「ああ。持ってるよ、ベンツとZ37」
「フェアレディーZ37!ヤバ!」
「ゼットは一人で走りたい時に乗るよ、ヤッパ車は国産車に限るね?速いし、丈夫だし、外車はカネばっか食って直ぐに壊れる」
「カケルさんってスゲー、超カッケェ!」
「はは。ありがと」