秘密
「明日は学校どうする?」
バイクに股がり佐野君は聞いてきた。
「学校は行くよ、そんな大怪我した訳でもないし、中間考査も近いしね、あ。でも、球技大会は出れないな…ちょっと残念…」
佐野君と一緒に球技大会やりたかったな…
練習だってもっとしたかった…
「そんなに球技大会楽しみにしてたの?」
「…うん」
だって普段あまり見れないバスケやる佐野君を沢山見れるから…
シュートももっと教えて欲しかったし…
「…だったら、奏に優勝プレゼントしてやるよ」
「えっ!優勝?」
「うん。必ず優勝する」
と、笑う佐野君。
「え〜?そんな、無理しないでよ、だって佐野君膝が…」
「たかが球技大会だろ?楽勝だよ、本気の公式戦何かと比べたら、遊びみたいなモンだよ、はは」
「…でも」
「大丈夫だって、心配すんなよ、でも、モチベーションを上げる為には、今一つ何か足りないかな?」
「…何か?」
「もし優勝したら、何かご褒美くれない?」
「何だ、そんな事か、いいよ何が欲しいの?」
私は佐野君にいつも沢山のご褒美を貰ってるから、快く引き受けた。
「優勝出来たら言うよ」
「何か気になるな…」
「もし優勝出来なかったら恥ずかしいだろ?だから優勝出来るまで内緒」
そんなに恥ずかしいご褒美なの?佐野君。
「うん。わかった」
私は笑顔でそう答えると、佐野君は私の頭を引き寄せて、額に音をたててキスをくれた。
「わっ!」
いきなりな事だったので驚いて声を出してしまった。
「…その笑顔、反則。キスしたくなる」
私は額を左手で押さえて、
「……もうしたじゃない」
……顔が熱い。
きっと私真っ赤な顔してる。
夕焼けで誤魔化せてるかな?
「はは。確かに…」
佐野君はヘルメットを被り、バイクのキーを回しエンジンをかける。
久しぶりに聞く佐野君のバイクの音。
…乗りたいな。
腕の怪我がなければ、また二人で佐野君の地元までバイクで行けたのに。
「また明日、学校で!」
「うん!バイト頑張ってね。行ってらっしゃい!」
「行ってきます!」
走り出した佐野君の背中を、見えなくなるまで見送った。